書籍情報&レビュー
この本の基本情報
タイトル:The Penang File
YL:1.0
語数:2,043
パパわんおすすめ度:
パパわん的ジャンル:スパイもの
シリーズ:Cambridge English Readers Starter (CER0)
著者:Richard MacAndrew
ジャンル:Thriller
英語:イギリス英語
朗読:あり(無料ダウンロード可)
舞台:マレーシア(ペナン島)
CERの中でシリーズ化されている「スパイ Munro」シリーズの一冊です。
あらすじ
英国の秘密諜報員Ian Munroは、マレーシアのペナン島に滞在中の英国王子が、殺し屋Sergioに狙われていることから、その計画を阻止する任務に赴きます。
ペナン島の刑事AbdullahとLeeと協力し、Sergioを探し出すことに。果たしてMunro達は暗殺計画を阻止することができるのでしょうか?
ざっくりレビュー
007のジェームズ・ボンドのようにボンドガールが登場したりといったことはありませんが、警察者とはまた違ったスパイものです。主人公のMunroはイラストを見る限りかなり渋くて格好良いのですが、ちょっと詰めが甘いようで2回もピンチに陥っています。
本家のジェームズ・ボンドもよく敵の罠にかかりますし、これはもう英国スパイの宿命なのかもしれませんね。
肝心の本の内容ですが、このレベル帯の本では犯人の動機がいまいちよくわからないものが多かったりするのですが、本書ではしっかりとそのあたりの背景が書かれています。最後のボスのセリフも渋くて良いです。次のMunroシリーズが読みたくなること間違いなしの1冊ですので、低いレベルの本だし読まなくても良いかな……という方も一度手にとって見てはいかがでしょうか。
スパイMunroシリーズは他にはどんな本がある?
Cambridge English Readersには他にもMunroを主人公にしたものが出ています。同じシリーズものだと登場人物が共通なので、上のレベルの本にもスムーズに入っていけるのでおすすめです。
いずれこれらの本についてもレビューできればと思います。
英語多読にプラスアルファの情報
ピックアップ表現
There’s a trishaw outside the hotel.
本文より
‘The Padang, please,’ Munro tells the driver.
実はオーディオだけで本書を聴いていたとき、なんだこれ?となったところです。
本文を読めばイラストがあるのでわかるのですが、このtrishawというのは三輪の自転車タクシーのこと。
「リクシャー(rickshaw)」と日本語の人力車からその名がついた自転車タクシーが東南アジアで利用されていることはよく知られていますが、特に三輪タクシーのことを英語ではcycle rickshawと言います。
そしてtrishawは「3つの」を表す”tri”と人力車をいう”rickshaw”が合わさって出来た言葉なのですね。
欧米以外を舞台にした小説などでは、このような低いレベルのGRでも独特な単語が出てきたりします。
英語多読3原則からすると辞書を引きながら読むのは良くないとされていますが、本を読んだあとは是非辞書を引いて気になった単語や表現をチェックするのは大事だと思いますし、このように語源から単語の成り立ちを調べてみると記憶に残るので英語学習にも効果的だと思います。
朗読(オーディオブック)のレビュー
男性の朗読です。音質もクリアで聴きやすいです。朗読スピードは結構ゆっくり目なので、速度変換してリスニングできるアプリ等で1.25倍位で聞いても良いかもです。
途中電話のシーンでは受話器越しの声に聞こえるようにエフェクトがかかっていたりと凝っています。そしてThe Big Manの喋り方が実に悪役っぽくて良いです。朗読の最初と最後にかかるテーマ曲もアジアンテイストたっぷりでかなり格好良いですよ!
CERの朗読音声は現在無料でダウンロードすることが可能です!
詳しくは下の記事をご覧ください。
[https://papa-wanwan.com/cambridge-english-readers-audio-recordings/]
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